医療法人社団 大樹

ケアマネージャーの方へ / 往診をご希望の方へ

歯医者の往診

最近、往診の依頼が多くなりました。
自宅だったり、老人ホームから治療の依頼をいただきます。
世の中、寝たきりの人がたくさんいらっしゃることを実感しています。

往診というのは、診療所から半径16km以内と決められています。半径16kmというのは、例えば東京の真ん中だったら山手線がまるまる一周入るぐらいの範囲です。結構広いです。浜松町から半径16kmというと、川崎ぐらいまで入ります。最近依頼があったのは羽田からでした。それほど遠くはないですが、片道10kmぐらいはあります。

今のところ、10件程度のご依頼をいただいています。はじめたのは、2009年からです。クチコミで、とても「良かったのでまたお願いします」ということで何度もリピートでご依頼いただいています。ケアマネージャーを通じて紹介していただき、老人ホームやデイサービスの往診の依頼が増えています。

グループホーム、特別養護老人ホーム等、老人ホームというのはいろいろな種類があります。ケアマネージャーさんがケアプランを作り、口腔ケアが必要だということで歯科医に依頼を出すという流れになっています。通常だと病院というのは、医院を構えて患者さんに来ていただくというスタイルです。

ところがこれからの超高齢化社会では、いわゆる施設や自宅での寝たきりという人が加速的に増えていくことになります。特にまだまだ東京都内というのは平均年齢が低いと言われています。ただ、これからの住民の移動がなければ高齢化率が加速的に伸びていく場所なのだそうです。人数の母数が多いので逆にこれから高齢化が激しくなるようです。地方都市はすでにそれが始まっています。

超高齢化社会に向けて

今回の震災での歯ブラシがないとか老人ホームが被災して口腔ケアができなくて、誤嚥性肺炎になる人が多いそうです。地震や津波では助かったけれど、その後のケアがフォローアップできない環境だったので、寒くて風邪をひき、誤ってむせて飲み込んで、肺炎を起こしてしまうケースが多かったのです。医療がしっかりしていれば助かった人がたくさんいたのです。

今後老人ホーム等の高齢者向けの施設を中心に、まともに物を食べられなかったり飲み込めない、唾液すら飲み込めない状態の人が増えてくる可能性があります。そうなると、口の中の環境が悪くなって、そこでケアをしないでむせると肺炎を起こして亡くなるということが一気に増えてしまいます。

これからの日本社会が世界中どこをみても過去に例を見ない高齢化社会になります。かつ人口が減少します。2050年には9000万人を割ると言われています。例えば、今の団塊の世代は1歳単位で200万人います。それが80歳まで平均的にいるとすると1億6千万人いますが、実際には1億3千万人です。今の20歳ぐらいの人は1歳刻みで見ると、100万人しかいません。ということは、60代と20代を見比べると、40年間で人口が半数になるということです。50年後60年後になると、日本の人口は9000万人程度になるのは目に見えています。人口構成を観れば明らかですね。

逆に言えば、この10年〜15年間を眺めると、70〜90歳というお年寄りは膨大な数になるのです。その人たちにQOL(クオリティオブライフ 生活の質)を高めるための居宅の歯科ニーズも膨大にあることになります。寝たきりで外に出て行けないという人の生活水準を高めるためには、歯科の往診が必要になってくるのです。それだけの設備を持ってケアのお手伝いをすることをしていかなければならない時代になってきているのです。やらなければならないことです。それをどれだけこれからの社会に対して徐々に広げていくことを考えていきたいと思います。

高齢者と子どもを意識する

現段階で歯科の往診はやっているところはありますが、まだまだ少なく足りない状態です。これから地道に広げていくことが大事なのだと思います。

往診の際には、ポータブルの設備を準備して本格的にやっていく予定です。意外と大きなものなので、軽自動車を一台用意して積んでいくというイメージです。ポータブルとはいえ、片手に持って電車で持っていくということは難しいのです。ちなみに、院内にある椅子は200〜300kgあります。意外と歯科治療の機材というのは重いのです。往診の機材に椅子はありませんが、水を吸い込むバキューム等の基本的なものでも20〜30kgにはなります。車に機材を積み、医師と歯科衛生士の組み合わせで巡回していくイメージです。2012年中には稼動させたいと思っています。都内は基本的に道が狭く車がすれ違えない場所が多いです。そんなことを考えていくと、結局、大きい車ではとても難しく、軽自動車でないと置いておくことすらできません。小さい車でないと難しいといっても過言ではありません。歯が痛いとか入れ歯が壊れたという治療面もありますが、むしろ誤嚥性肺炎の予防が中心になりそうです。